第1回定例研究会(参加者27名)
<日時>
10月27日(土) 13時30分~17時30分
<場所>
国立国語研究所 3階 セミナー室
<プログラム>
13:30-13:35 会長挨拶 宇佐美まゆみ(国立国語研究所 教授)
13:35-14:15 発表 木林理恵(宇都宮大学 非常勤講師) 資料
題目:『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2018年版』の活用方法
要旨:本発表では『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2018年版』の概要、及び、『BTSJ文字化入力支援・自動集計・複数ファイル自動集計システムセット』の具体的な使用方法を紹介する。また、BTSJによる文字化資料では会話の基本情報(発話文数、話者交替数、音声重複の割合等)という観点から各会話の特徴が把握できることを示す。そして、そのような基本情報を会話分析にいかす道筋を探りたい。
14:15-14:20 休憩
14:20-15:50 発表2 平山紫帆(立教大学 兼任講師) 資料
題目:接触場面と母語場面の会話における母語話者のくり返し:日常的な接触経験と対話者の日本語レベルからの分析
要旨:会話におけるくり返しは発話の理解や産出を促進し人間関係の構築に寄与する方策であり、接触場面では特に有効な手段であると考えられる。一方で、くり返しの過剰使用はコミュニケーションを妨げかねず、相手や状況に応じた調整が必要である。接触場面の調整行動は非母語話者との接触経験が関わることが指摘されており、非母語話者の言語レベルによっても必要な調整が異なると考えられる。そこで本発表では接触場面と母語場面の母語話者のくり返しを分析し、接触経験の多寡により日本語レベルが異なる相手へのくり返しに違いがあるかを探った。
15:50-16:00 休憩
16:00-17:30 発表3 野口芙美(お茶の水女子大学 大学院生) 資料
題目:儀礼的発話に対する否定応答
要旨:否定応答は相手のフェイスを侵害する可能性のある行為の一つと考えられるが、感謝や褒めのような儀礼的発話に対する否定応答は問いに対する否定応答とは性質が異なるものである。儀礼的発話に対する否定は、否定応答詞の重要な用法の一つだとこれまでの研究で報告されているものの、これに焦点を当てた分析はほとんど行われていない。本発表では、『BTSJによる日本語話し言葉コーパス』を用いて、自然会話における儀礼的発話に対する否定応答を先行文、応答形式の観点から分析する。
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